- 障害者雇用の面接に受からない人に多い5つの原因(私の失敗談つき)
- 面接でよく聞かれる質問と、私が実際にどう答えたか
- 振り返って「もっとこうすれば良かった」と思う点と、回答例
障害者雇用の面接で聞かれる質問は、ほぼ決まっています。自己紹介・志望動機・障害と配慮・職務経験・給与・働き方・体調管理・逆質問の8つです。準備さえしておけば、面接は怖くありません。

私は精神障害があり、障害者雇用で働いています。総務事務から未経験でインフラエンジニアに転職したときの面接では、この記事で紹介する質問を実際に聞かれました。一方で、面接の途中で志望を変えてしまい、不採用になった失敗もしています。
この記事では、質問ごとに「一般的なセオリー」「私の実体験」「振り返り」の3つを紹介します。
- 企業が一番知りたいのは「この人は長く安定して活躍してくれるか」
- 転職の軸を先に決めて、志望動機も将来像も同じ軸から話す
- 障害と配慮は隠さず、「安定して働くための条件」として伝える
面接に受からない人に多い5つの原因
面接に落ち続けると、自分を否定されたような気持ちになります。でも、原因の多くは準備で改善できます。
なお、面接まで進めず、そもそも書類選考で落ちてしまう場合は、障害者雇用の書類選考が通らない理由(90社に応募して通過率約9%だった実体験)を先に読んでみてください。
| よくある原因 | 対策 |
|---|---|
| 転職の軸がぶれている | 応募する前に、ゆずれない軸を1つ決める。面接の場で迷わない |
| 配慮事項があいまい、または多すぎる | 「何を」「いつまで」を具体的に。「この配慮があれば、こう働ける」で締める |
| 職歴やブランクの説明があいまい | その期間に何をしていたか、今はどう安定しているかを前向きに話す |
| 志望動機が、どの会社にも言える内容 | その会社の強みや価値観と、自分の経験を結びつける |
| よく聞かれる質問の準備が足りない | この記事の質問ごとに答えを書き出し、声に出して練習する |
私の転職活動の面接の結果
参考までに、私の転職活動で、書類選考を通過してから面接がどうなったかをまとめます。
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 書類選考を通過 | 約90社に応募して8社(通過率 約9%) |
| dodaチャレンジ経由 | 書類を通過した4社のうち2社の1次面接を受け、1社で最終面接の案内(辞退) |
| atGPの自己応募 | 書類を通過した4社のうち1社で一次面接を通過し、二次面接の案内(辞退) |
| 面接で志望を変えた会社 | 不採用(下の失敗談) |
| 最終的な結果 | 別のエージェント経由で応募した会社で、選考前の面談をきっかけに内定 |
書類選考を通っても、面接で次に進めるとは限りません。一方で、最終面接の案内までもらえた会社もありました。サービスごとの詳しい流れは、atGPの本音レビューとdodaチャレンジの本音レビューにまとめています。
経理職に絞って転職活動をしていたころ、ある会社の面接で、経理職で働く自信が持てず、面接の途中で「経験のある総務に応募したい」と志望を変えてしまいました。結果は不採用。「軸がぶれている」と判断されたのだと思います。迷うなら、面接の場ではなく、応募する前に迷い切っておくべきでした。
第1章 基本編:自己紹介・志望動機・障害と配慮
面接の最初に必ず聞かれる3つの質問です。ここでつまずかなければ、後半も落ち着いて話せます。
自己紹介
一般的なセオリー:1分程度で、氏名・これまでの経歴・活かせる強み・意気込みの順に話す。
すらすら言えるまで丸暗記した。最初にいいスタートを切れると、気持ちに余裕が生まれ、そのあとの質問にも落ち着いて答えられた。
暗記は、緊張しやすい人ほどおすすめ。一言一句ではなく「話す順番とキーワード」で覚えると、棒読みにならず、言い回しが変わっても崩れない。
【回答例】「〇〇と申します。前職では総務事務として、備品や通信機器の管理、業務改善を担当してきました。特に、コスト削減の施策を自分から提案し、実行したことが強みです。本日はよろしくお願いいたします。」
志望動機
一般的なセオリー:「なぜこの業界か」「なぜこの会社か」「入社して何をしたいか」を、自分の経験と結びつけて話す。使い回しは見抜かれる。
志望動機は会社ごとに作った。「障害者雇用でもキャリアアップし、専門性を高めたい」という軸と会社が合っていることを伝え、そのうえで「なぜ御社なのか」を、会社の強みや価値観と結びつけて話した。
「軸 → 会社との一致 → なぜ御社か」の3段構成が効いた。軸を先に決めていたことが、志望動機・転職理由・将来像まで一貫させる土台になった。
【回答例】「障害者雇用でも専門性を高め、長くキャリアを築きたいと考えています。御社は、障害の有無にかかわらず同じ基準で評価される制度があり、私の軸と一致しています。中でも〇〇という価値観に共感し、〜」
障害の内容と配慮事項
一般的なセオリー:障害名だけでなく、「どんな場面で困るか」「自分でしている工夫」「会社にお願いしたい配慮」をセットで伝える。

隠さず正直に伝えた。ここをちゃんと伝えないと、入社後に自分がつらくなる。
さらに良くするなら、「お願い」ではなく「安定して働くための条件」として伝える。「〇〇があると、安定して働けます」と言えると、会社も安心する。
【回答例】「精神障害があり、現在は〇週間に1回通院して、服薬を続けています。体調は安定しており、フルタイムで勤務できています。疲れがたまると集中力が落ちることがあるため、睡眠のリズムを崩さないよう自分で管理しています。業務では、大事な指示を文字でいただけると、抜け漏れなく進められます。通院の日だけ朝の時間を調整させていただければ、安定して働けます。」
第2章 職務経験編:前職の仕事と、それをどう活かすか
「前職の仕事内容を教えてください」「これまでの経験をどう活かせますか」は、ほぼ必ず聞かれます。
一般的なセオリー:業務を並べるだけでなく、「状況 → 自分の行動 → 結果」の流れで、できれば数字を使って話す。
面接の前に、業務と実績をすべて棚卸しし、強いストーリーを2つに絞りました。コストカットと、新しい施策の推進です。今の会社の面接では、問題解決力を見られていると感じました。職務経歴書に書いたコスト削減について、「具体的にどのように取り組んだのか」を詳しく聞かれました。
| 見直したもの | 取り組みと結果 |
|---|---|
| 通信機器 | 貸与基準表を作り、役職者以外の端末をより費用の安い機種に見直した |
| 備品 | 取引先を選び直し、単価を半分以下に |
| 設備サービス | 契約を見直し、月々の費用を約9割削減 |
この3つで、年間で数百万円規模の削減になりました。数字で準備しておいたからこそ、深掘りされても具体的に答えられました。未経験の職種への応募でも、「自分で課題を見つけて動ける人」と伝わったのだと思います。
業務を並べるのではなく、強いストーリーに絞った。職種が変わっても、課題を解決する力はどこでも活きる。
応募先の「求める人物像」に合わせて、話すストーリーの順番を変える。「体調を崩さずにこの成果を出せた」と添えると、安定性の証明にもなる。
【回答例】「前職では総務事務として、会社の方針でコスト削減に取り組みました。備品の取引先を見直して単価を半分以下に下げ、設備サービスの契約を見直すなどして、年間で数百万円規模を削減しました。この『課題を見つけて自分から動く』経験を、御社でも活かしたいと考えています。」
第3章 給与編:希望年収はどう伝える?
一般的なセオリー:「現実的な希望+柔軟性」を示す。前職の給与は正確に伝え、希望額には幅を持たせる。
希望年収は正直に、実績やスキルに見合う金額で伝えた。未経験の職種だったので「現状以上」とした。
「現状以上」ではなく、「現年収〇〇万円を下限に、〇〇〜〇〇万円」と幅で言えば、内定後の調整がしやすかった。細かい交渉は、内定後にエージェント経由で。
【回答例】「現在の年収は〇〇万円です。未経験の職種なので、まずは現状以上を希望します。入社後は成果を出して評価をいただき、段階的に上げていければと考えています。」
第4章 働き方・将来編:勤務条件と「3年後・5年後」
勤務時間・テレワークの希望
一般的なセオリー:必要な希望は、理由とセットで伝える。
勤務時間や働き方で障害に影響が出ることは特になかったので、「特にありません」と伝えた。
「現在もフルタイムで安定して勤務できています」と根拠を一言添えれば、もっと安心してもらえた。
私自身、前の職場に再入社したときは、1日4時間(週20時間)の時短勤務から始めました。
3年後・5年後のキャリア
一般的なセオリー:長く働く意欲と、現実的なステップアップの道筋を示す。
「3年で一人立ちし、5年後にはプロジェクトを引っ張っていきたい」と答えた。会社は、長く働いてくれるかを見ている。
現実的な目標にしたのは良かった。さらに「そのために今、〇〇の資格を勉強しています」と言えれば、本気度が伝わる。
【回答例】「3年後には、一通りの業務を一人でこなせる状態を目指します。5年後には、プロジェクトを引っ張る立場を任せてもらえるようになりたいです。そのために、今は〇〇の勉強を進めています。」
目標にする資格の選び方は、障害者雇用でおすすめの資格を参考にしてください。
第5章 体調・ストレス対処編:普段の対処法を正直に
「体調が悪くなったときはどうしていますか」「ストレスを感じたらどう対処しますか」は、必ず聞かれます。会社が知りたいのは、「自分で体調を管理できる人か」です。
普段のストレス対処法を、正直にそのまま伝えた。「趣味の釣りに行ったり、自然のある所に出かけたりしてリフレッシュしています」。面接のために作った答えではなく、普段の習慣を話すことが大切。
休日のリフレッシュ方法に加えて、「不調のサインに早めに気づく工夫」と「仕事中にどう動くか」まで話せれば、さらに安心してもらえた。
【回答例】「定期的に通院しており、現在は体調が安定しています。ストレスを感じたときは、休日に趣味の釣りや自然の多い場所に出かけてリフレッシュしています。睡眠リズムが乱れてきたら不調のサインなので、早めに休むようにしています。業務中に疲れを感じたら、上司に相談して小休憩を取らせていただければと思います。」
第6章 逆質問編:最後の印象を決める
「最後に何か質問はありますか」は、面接の最後の印象を決める大事な場面です。「特にありません」は避けましょう。
会社の今後の展望や、入社前までに勉強しておくべきことを聞いた。また、障害者雇用であることが、評価や業務の内容に影響するかも確認した。
「入社前に何を勉強すべきか」は、未経験の職種で特に効果的。障害者雇用ならではの確認も、「長く働きたい」という意欲として伝わる。
| 印象が良い逆質問 | 避けたい逆質問 |
|---|---|
| 今後、御社が力を入れていく事業や展望を教えてください | 残業はどのくらいありますか |
| 入社までに勉強しておくべきことはありますか | 有給は取りやすいですか |
| 評価の基準は、障害者雇用かどうかで変わりますか | 昇給は年にいくらですか |
| 障害のある社員の方は、どのように業務の相談をされていますか | 御社の事業内容を教えてください(調べればわかる) |
待遇や勤務条件でどうしても確認したいことは、面接ではなくエージェント経由で聞くのがおすすめです。
第7章 障害者雇用ならではの質問と回答例
障害者雇用の面接では、一般の面接にはない質問もよく聞かれます。会社が知りたいのは、「入社後にどう配慮すれば、長く働いてもらえるか」です。
なぜ障害者雇用を選んだのですか?
一般的なセオリー:「配慮があれば、安定して力を出せる」という前向きな理由で答える。「一般雇用では無理だったから」という後ろ向きの言い方は避ける。
【回答例】「障害をオープンにして、必要な配慮を受けながら、長く安定して働きたいと考えたためです。配慮があることで体調を崩さずに働けるので、その分、仕事の成果で御社に貢献したいと考えています。」
通院の頻度と、仕事への影響を教えてください
一般的なセオリー:頻度と時間帯を具体的に伝え、「業務への影響をどう小さくするか」までセットで話す。
【回答例】「〇週間に1回、平日に通院しています。朝の早い時間に受診できる病院なので、フレックス制度や時間休を使わせていただければ、業務への影響はほとんどありません。通院の予定は、早めに共有するようにします。」
私自身、今の会社ではコアタイムありのフレックス制を使って、有給を使わずに朝の時間に通院しています。通院しやすい会社の見分け方は、こちらにまとめています。
障害のことを、職場の人にどこまで伝えてほしいですか?
一般的なセオリー:「誰に」「何を」伝えてほしいかを分けて答える。自分で決めておくと、入社後に困らない。
【回答例】「直属の上司と人事の方には、障害の内容と配慮事項を知っておいていただきたいです。同じチームの方には、業務に関わる配慮(指示を文字でいただくことなど)だけを共有していただければ十分です。」
面接の前日チェックリスト
- 自己紹介を、話す順番とキーワードですらすら言える
- 転職の軸を一言で言える(面接の場で迷わない)
- 志望動機をこの会社用に作った
- 障害と配慮を「安定して働くための条件」として話せる
- 業務と実績を棚卸しし、数字入りのストーリーを2〜3個用意した
- 希望年収を、実績に見合う金額の幅で言える
- 3年後・5年後の目標と、そのために今していることを言える
- 体調管理とストレス対処を、休日と仕事中の両方で話せる
- 逆質問を2〜3個用意した(待遇の質問は入れない)
- 身だしなみを整え、ていねいな言葉づかいを意識した
まとめ
- 面接に受からない原因は、軸のぶれ・配慮のあいまいさ・準備不足などが多い。どれも準備で改善できる
- 私は面接の途中で志望を変えて不採用になった。軸は応募前に決めておく
- 職務経験は数字入りのストーリーで。私はコスト削減を具体的に聞かれ、問題解決力が評価された
- 障害と配慮は隠さず、「安定して働くための条件」として伝える
準備した分だけ、面接は必ず楽になります。この記事が、あなたの面接の助けになればうれしいです。



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