- 障害者グループホームとは何か、入居の条件と流れ
- グループホームで生活を整えて、就職までたどり着いた私の体験
- 実際にかかった費用と、家賃の補助制度
「働きたいけれど、まず生活を立て直さないといけない」「家族と暮らすのは難しいけれど、いきなり一人暮らしは不安」。そんな方にとって、障害者グループホームは心強い選択肢です。
私は精神障害があり、障害者雇用で働いています。就労移行支援に通って就職したあと、3度目の入院をきっかけにグループホームに入居しました。生活を整えながら同じ職場にパートで復帰し、正社員に登用されて働き方が安定するまで住み続け、約2年で退去しました。この記事では、そのときの体験をもとに、グループホームの基本と使い方をお伝えします。
- 退院直後で、すぐに一人暮らしをするのが難しい人には、グループホームが「働く前の土台づくり」になる
- 入居の相談は、病院の相談員や、市区町村の相談支援センターから始めるとスムーズ
- 家賃には国の補助があり、自治体によっては独自の助成もある。入居したら必ず確認を
障害者グループホームとは?
障害者グループホームは、正式には「共同生活援助」という障害福祉サービスです。障害のある人が、スタッフの支援を受けながら、少人数で共同生活をする住まいです。相談や食事の提供、日常生活の手助けなどを受けられます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 身体障害・知的障害・精神障害・難病などがある人 |
| 必要なもの | 市区町村が発行する「障害福祉サービス受給者証」 |
| 主な種類 | 介護サービス包括型、外部サービス利用型、日中サービス支援型など。一人暮らしに近い「サテライト型住居」もある |
| かかる費用 | 家賃、食費、水道光熱費、日用品費など(サービスの利用料は、収入によっては負担なし) |
私の体験:グループホームで生活を整えて、就職した
入居のきっかけ:病院の相談員の一言
2022年、私は3度目の発症で入院しました。退院を前に、病院の相談員の方から「親と一緒に暮らさないほうがいい」と言われました。そして、市の基幹相談支援センターに相談に行くよう勧められました。
基幹相談支援センターでグループホームを紹介してもらい、運よく、スムーズに入居することができました。
- 入院中の病院の相談員:退院後の暮らし方を一緒に考えてくれる
- 市区町村の基幹相談支援センター:地域の障害福祉の総合的な相談窓口。グループホームなどの住まいの相談もできる
なぜ一人暮らしではなく、グループホームだったのか
自炊の経験も少なく、お金の面でも、気持ちの面でも負担が大きい。一人暮らしは、生活や仕事が安定している人でないと厳しいと感じた。
食事を用意してもらえて、困ったときはスタッフに相談できる。生活を整えることに集中しながら、仕事に復帰できた。
グループホームで助かったこと
- 食事を用意してもらえる:働き始めて帰りが遅くなる日も、自炊をせずに温かいご飯が食べられた
- 寂しさを感じにくい:ほかの入居者と自然に話したり、スタッフに悩みを聞いてもらったりできた
- 困ったときにすぐ相談できる:入居中に体調を崩したときは、通院への付き添いや買い物をお願いできた
- お金を貯められる:費用が安いので、就職して内定をもらったあとも、生活費を抑えるために住み続けた
大変だったこと
共同生活なので、お風呂や洗濯の時間がほかの人と重なり、思いどおりに生活できないこともありました。外出や外泊のときに事前の申請が必要なことも、少し気が重く感じました。
ただ、私は大学時代にシェアハウスで暮らしていたこともあり、「そういうもの」と割り切っていました。共同生活に慣れている人なら、大きな問題にはならないと思います。
退去のタイミング:正社員になって、働き方が安定してから
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2022年 | 3度目の入院。退院後、グループホームに入居 |
| 入居中 | 以前の職場にパートで復帰。1日4時間の時短勤務から始めて、少しずつ勤務時間を延ばした |
| 2023年 | 正社員に登用 |
| 2024年 | 正社員として安定して働けることを確認してから、退去して引っ越し |
就職してすぐに出るのではなく、働き方が安定するのを確かめてから退去したのは、良い判断だったと思っています。生活の変化と仕事の変化が一度に来ると、体調を崩すきっかけになりやすいからです。
費用と、家賃の補助制度
私が実際にかかった費用
私が住んでいたグループホームでは、家賃・光熱費・食費込みで月5万円前後でした。そこから、家賃の補助として月1万円ほど支給されていたと記憶しています。
実は、入居したときは補助があることを知らず、ほかの入居者に教えてもらって申請しました。入居したら、使える補助がないか、必ず確認してください。
国の補助:特定障害者特別給付費
グループホームの家賃には、国の補助制度があります。市区町村民税が非課税の人などを対象に、家賃のうち月1万円まで(家賃が1万円未満ならその額)が支給されます。
自治体独自の家賃助成(例)
自治体によっては、国の補助に上乗せして、独自の家賃助成をしているところもあります。たとえば、ある市では次のような助成があります。
| 対象 | 月の助成額 |
|---|---|
| 国の補助を受けていない人 | 家賃の2分の1(上限2万円) |
| 国の補助を受けている人 | 家賃から国の補助を引いた額の2分の1(上限1万円) |
対象者や金額は自治体ごとに違います。お住まいの市区町村の障害福祉の窓口で確認してください。
入居までの流れ

相談する
病院の相談員、市区町村の障害福祉の窓口、基幹相談支援センター、相談支援事業所などに、住まいについて相談します。
受給者証の申請をする
グループホームを使うには、市区町村で「障害福祉サービス受給者証」を発行してもらう必要があります。
見学・体験入居をする
紹介されたグループホームや、検索サイトで見つけたグループホームを見学します。体験入居ができるところもあります。
契約して入居する
入居したら、家賃の補助の申請も忘れずに行いましょう。
こんな人に、グループホームはおすすめ
- 退院したばかりで、生活リズムを整えるところから始めたい人
- 家族と一緒に暮らすのが難しい人
- 一人暮らしをしたいが、自炊やお金の管理にまだ自信がない人
- 就労移行支援に通いながら、就職に向けて生活の土台をつくりたい人
よくある質問
Q. グループホームの入居条件は?
障害のある人が対象です。身体障害・知的障害・精神障害・難病などで、障害福祉サービスを使える人であれば入居を検討できます。ただし、身体障害のある人は、65歳未満の人か、65歳になる前に障害福祉サービスなどを使ったことがある人に限られます。
入居するには、市区町村から「障害福祉サービス受給者証」を発行してもらう必要があります。グループホームごとに、受け入れている障害の種類や年齢、男女などの条件が違うので、見学のときに確認しましょう。
Q. 障害者手帳がなくても入れる?
手帳がなくても、医師の診断書などで障害があることを確認できれば、受給者証を申請できる場合があります。必要な書類は自治体によって違うので、まずは市区町村の障害福祉の窓口に相談してください。
Q. 一人暮らしと、どう違う?
| グループホーム | 一人暮らし | |
|---|---|---|
| 食事 | 用意してもらえるところが多い | 自分で用意する |
| 困ったとき | スタッフに相談できる | 自分で相談先を探す |
| 生活リズム | ホームのルールがあり、整えやすい | 自由だが、崩れやすい |
| 自由度 | 門限や共用スペースのルールがある | 自分のペースで暮らせる |
私は、生活と仕事が安定するまではグループホーム、と決めていました。正社員になって働き方が安定してから退去しています。グループホームは、一人暮らしの前の「練習の場」として使うこともできます。
まとめ
- 私は3度目の入院のあと、病院の相談員の勧めで、基幹相談支援センターからグループホームに入居した
- グループホームで生活を整えながら、以前の職場にパートで復帰。正社員に登用されて安定してから退去した
- 費用は家賃・光熱費・食費込みで月5万円前後。家賃には国の補助(月1万円まで)や、自治体独自の助成がある
- 共同生活の不便さはあるが、「働く前の土台づくり」として大きな助けになった
回り道に見えても、生活の土台を整えてから働き始めたことが、長く働き続けられた理由の一つだと感じています。



コメント