- 障害者雇用の最新データ(雇用者数・実雇用率・就職件数・定着率)
- 精神障害のある人の雇用が、一番伸びていること
- 数字の裏にある、当事者としての実感
「障害者雇用って、今どうなっているの?」「精神障害でも働ける会社は増えているの?」と気になっている方へ。
この記事では、厚生労働省などが公表している最新のデータをまとめたうえで、精神障害のある当事者として障害者雇用で働いてきた私が、その数字をどう感じているかをお伝えします。
- 民間企業で働く障害者は約70.5万人で、過去最多。特に精神障害のある人が大きく増えている
- ハローワークを通じた就職件数も過去最多で、その半分以上が精神障害のある人
- 一方で、賃金や職場定着には課題が残る。「正社員になれるか」「長く働けるか」が分かれ目
最新データで見る、障害者雇用の今
雇用されている障害者の数は、過去最多
厚生労働省の「令和7年 障害者雇用状況の集計結果」(2025年6月1日時点)によると、民間企業で雇用されている障害者の数は次のとおりです。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 雇用されている障害者の数 | 70万4,610人(前年より4.0%増。過去最多) |
| 実雇用率 | 2.41%(当時の法定雇用率は2.5%) |
| 法定雇用率を達成した企業の割合 | 46.0% |
※障害者の数は、法律のルールに沿って数えた値です(重度の方は2人分、短時間勤務の方は0.5人分などとして数えます)。
法定雇用率は、2026年7月から2.7%に引き上げられました。企業が雇う必要のある障害者の数は、これからも増えていきます。
障害者雇用の仕組みや一般雇用との違いは、障害者雇用とは?でまとめています。
一番伸びているのは、精神障害のある人
| 障害の種類 | 雇用されている数 | 前年からの伸び |
|---|---|---|
| 身体障害 | 37万3,914.5人 | +1.3% |
| 知的障害 | 16万2,153.5人 | +2.8% |
| 精神障害 | 16万8,542.0人 | +11.8% |

精神障害のある人の雇用は、ほかの障害と比べて大きく伸びています。今では、知的障害のある人の数を上回っています。精神障害者保健福祉手帳を取るか迷っている方は、障害者手帳は持つべき?を参考にしてください。
ハローワークでの就職件数も過去最多
厚生労働省の「令和6年度 障害者の職業紹介状況等」によると、ハローワークを通じた障害者の就職件数は11万5,609件で、過去最多でした。
| 障害の種類 | 就職件数 | 就職率 |
|---|---|---|
| 身体障害 | 2万2,704件 | 37.7% |
| 知的障害 | 2万2,449件 | 55.6% |
| 精神障害 | 6万5,518件 | 42.8% |
| その他の障害 | 4,938件 | 34.7% |
| 合計 | 11万5,609件 | 43.1% |
就職件数のうち、半分以上(約57%)が精神障害のある人です。ハローワークでの応募の流れは、ハローワークで障害者雇用の求人に応募する方法で紹介しています。
数字の裏にある課題
賃金と、正社員の割合
厚生労働省の「令和5年度 障害者雇用実態調査」によると、精神障害のある人の平均賃金は月14万9,000円で、正社員として働いている人は32.7%です。身体障害のある人(平均賃金 月23万5,000円、正社員59.3%)と比べると、差があります。短時間勤務やパートで働く人が多いことが、大きな理由です。
職場への定着
独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)の調査(2017年)では、精神障害のある人の就職後1年時点の職場定着率は約49%で、ほかの障害と比べて低めでした。「就職すること」と同じくらい、「働き続けること」が大きな課題です。
当事者の私が、数字を見て感じること
データの一つひとつが、私自身の経験と重なります。数字だけではわからない「中身」をお伝えします。
| データ | 私の経験 |
|---|---|
| 精神障害のある人の雇用が増えている | 私もその一人です。精神疾患で働けなくなり、就労移行支援に通ってから、障害者雇用で就職しました。 |
| 平均賃金は月15万円ほど、正社員は約3割 | パート社員のころの年収は約200万円でした。正社員に登用されて約360万円に上がり、転職して約400万円になりました。「正社員になれるか」が、収入の一番の分かれ目でした。 |
| 職場定着率は約49% | 私も、服薬をやめて再発し、1か月で仕事を辞めた経験があります。再入社後は時短勤務から始め、定着支援も使いながら、長く働けるようになりました。 |
| ハローワークでの就職件数は過去最多 | ハローワークで大量に応募しましたが、書類選考は1件も通りませんでした。就職につながったのは、就労移行支援の事業所や、転職エージェントの紹介でした。 |
「戦力」として見てくれる求人がある
障害者雇用の求人がどれだけ増えたかを、私自身が肌で感じたわけではありません。ただ、転職活動をしていて気づいたことがあります。それは、障害者を単なる作業員や庶務の要員としてではなく、はっきりと「戦力」として見ている求人があるということです。そうした会社は、障害を「個性」と呼び、強みとしてとらえていました。
前の職場では、障害者雇用で働いていたのは、同じ部署では私ともう一人でした。今の会社は、障害者雇用を積極的に進めていて、私もインフラエンジニアとして、ほかの社員と同じ物差しで評価してもらっています。
法定雇用率を満たすために、補助的な作業だけを任せる。評価や昇給の道が見えにくい。
障害を個性ととらえ、配慮をしたうえで、専門性を高められる仕事を任せる。評価の基準もほかの社員と同じ。
このブログの名前に込めた思い
このブログのドメインにある「Diversability(ダイバーサビリティ)」は、「Diversity(多様性)」と「Ability(能力)」を合わせた言葉です。障害を「できないこと」ではなく「多様な能力」としてとらえる、アメリカの企業の考え方から取りました。
法定雇用率が上がり、障害者雇用の数は増えています。これからは数だけでなく、一人ひとりの力が活かされる障害者雇用が増えていってほしい。そう願って、このブログを書いています。
まとめ
- 民間企業で働く障害者は約70.5万人で過去最多。精神障害のある人は前年より11.8%増えた
- ハローワークを通じた就職件数は11万5,609件で過去最多。半分以上が精神障害のある人
- 一方で、精神障害のある人は賃金・正社員の割合・定着率に課題がある
- 私は、正社員になること、長く働き続けることで収入とキャリアを伸ばしてきた
- 障害を「戦力」として見てくれる会社は、確かにある
出典:厚生労働省「令和7年 障害者雇用状況の集計結果」、厚生労働省「令和6年度 障害者の職業紹介状況等」、厚生労働省「令和5年度 障害者雇用実態調査結果」、厚生労働省 資料(JEED「障害者の就業状況等に関する調査研究」2017年)



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