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特例子会社とは?メリット・デメリットと、一度働くと「クローズ・一般雇用」に戻りにくい注意点

特例子会社とは?キャリアの注意点 制度・手帳
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この記事でわかること
  • 特例子会社とは何か、認定を受けるための主な条件
  • 一般企業の障害者雇用との違いと、メリット・デメリット
  • 一度働くと、クローズの一般雇用に転職しにくい理由
  • 私が特例子会社を選ばなかった理由と、向いている人・慎重に考えたい人

「特例子会社」という言葉を、障害者雇用の求人で見かけたことはありませんか?配慮が手厚く、安心して働ける職場として紹介されることが多い一方で、あまり語られない注意点もあります。

この記事では、精神障害があり障害者雇用で働いている私が、特例子会社とは何か、一般の障害者雇用との違い、メリット・デメリットを解説します。あわせて、一度特例子会社で働くと、転職でクローズ(障害を伝えない)の一般雇用に戻りにくい理由と、私が特例子会社を選ばなかった理由もお伝えします。

先に結論
  • 特例子会社は配慮が手厚く、安心して働き始めやすい
  • 一方で、職歴に残るためクローズの一般雇用には戻りにくい
  • 「今の安心」と「数年後の働き方」の両方で考えて選ぶ

特例子会社とは

特例子会社とは、障害のある人が働きやすいように特別な配慮をした「子会社」のことです。親会社がつくった子会社が国の認定を受けると、その子会社で雇っている障害者を親会社が雇用している人数として数えられます。

企業には、従業員の一定割合以上の障害者を雇う義務(法定雇用率)があります。民間企業の法定雇用率は2.5%で、2026年7月から2.7%に引き上げられました。特例子会社は、大企業がこの雇用率を達成するための仕組みのひとつです。

2025年6月時点で、特例子会社は全国に631社あり、約5万3,700人の障害者が働いています。民間企業で働く障害者は約70万4,600人なので、およそ13人に1人が特例子会社で働いている計算です。

障害者雇用の制度そのものについては、障害者雇用とは?一般雇用との違い・メリット・デメリットで詳しくまとめています。最新の雇用者数は障害者雇用の現状【最新データ】もあわせてご覧ください。

認定を受けるための主な条件

  • 親会社が子会社の意思決定を支配していること(役員の派遣など)
  • 雇用する障害者が5人以上で、従業員全体の20%以上であること
  • 障害者のうち、重度身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合が30%以上であること
  • バリアフリーの設備や、専任の指導員を配置していること

一般の障害者雇用との違い

特例子会社 一般企業の障害者雇用
職場の人 障害のある社員が多数派 障害のない社員が多数派
支援体制 指導員・支援員がいることが多い 上司・人事が窓口
仕事内容 清掃、事務補助、データ入力、郵便物の仕分けなど定型業務が中心 部署によってさまざま
給与 低めの傾向 職種・会社による
キャリアの幅 狭くなりやすい 広げやすい
この章のポイント

いちばんの違いは「職場の多数派」と「支援体制」。特例子会社は支えが手厚い分、仕事内容やキャリアの幅は狭くなりやすい傾向があります。

特例子会社で働くメリット

  • 配慮が手厚い:障害への理解がある前提で職場がつくられているので、配慮を一から説明しなくても済む
  • 定着しやすい:支援員に相談でき、体調の波にも対応してもらいやすい
  • 同じ立場の仲間がいる:障害のある同僚が多く、孤立しにくい
  • 働く練習の場になる:ブランクが長い人や、初めて働く人が生活リズムを整えるのに向いている

特例子会社で働くデメリット

  • 給与が上がりにくい:最低賃金に近い水準の求人も多く、昇給の幅も小さい傾向がある
  • 仕事内容が限られる:定型業務が中心で、専門性が身につきにくい
  • 昇進の上限がある:管理職のポストが少なく、親会社への転籍もまれ
  • 親会社の方針に左右される:業務の多くが親会社からの委託なので、親会社の事情で仕事が変わることがある

給与や昇給が会社・業界によってどう変わるかは、障害者雇用の給料・昇給は業界で変わるで詳しく紹介しています。

注意点:一度働くと、クローズの一般雇用に転職しにくい

特例子会社を選ぶときに、あまり語られない注意点があります。それは、一度特例子会社で働くと、その後クローズ(障害を伝えない)で一般雇用に転職するのが難しくなることです。

理由1:職歴を見れば、特例子会社だと分かる

履歴書や職務経歴書には、勤めた会社の名前を書きます。特例子会社は社名を検索すればすぐに分かりますし、社名から想像がつくこともあります。厚生労働省や各地の労働局も、特例子会社の一覧を公開しています。

つまり、職歴そのものが「障害者雇用で働いていた」という情報になってしまうのです。障害を伝えずに働きたいと思っても、職歴を偽ることはできないので、クローズで応募するのは現実的に難しくなります。

私自身も、もともとはクローズで働くつもりでした。手帳を取ってオープンを選んだ経緯は、障害者手帳は持つべき?クローズ予定だった私が取得した理由に書いています。

理由2:仕事の経験が、一般枠の選考で評価されにくい

一般雇用の中途採用では、「前の職場で何をして、どんな成果を出したか」が見られます。特例子会社の定型業務の経験だけだと、一般枠のほかの応募者と比べたときにアピールしにくいのが現実です。

理由3:面接で、なぜ特例子会社にいたのかを聞かれる

職歴から特例子会社だと分かれば、面接で理由を聞かれる可能性があります。クローズで応募していると、この質問にうまく答えられません。

※障害を理由に不採用にすることは、障害者雇用促進法で禁止されています。それでも、クローズで応募する道が実際に閉ざされやすいのは確かです。

この章のポイント

職歴は書き換えられないため、特例子会社で働いた経験は、その後の応募先にも伝わります。将来クローズで働く可能性があるなら、入社前に考えておきたいポイントです。

私が特例子会社を選ばなかった理由

私は就職活動のとき、特例子会社への就職は検討しませんでした。将来的にはクローズで働くことも視野に入れていたからです。

特例子会社で働けば、配慮の面では安心できたと思います。ただ、一度入社すると職歴に残り、その後の働き方の選択肢、つまりキャリアが狭まる可能性があると考えました。

結果として、一般企業の障害者雇用枠で総務事務として働き始め、パートから正社員になり、その後未経験でインフラエンジニアに転職しました。職種を広げられたのは、最初に一般企業で働き、いろいろな業務を任せてもらえたからだと感じています。この転職の流れは総務事務から未経験でインフラエンジニアへで紹介しています。

特例子会社を否定するつもりはありません。ただ、「今の安心」と「将来の選択肢」のどちらを優先するかは、入社前に一度考えておいてほしいと思います。

特例子会社が向いている人・向いていない人

向いている人
  • 長いブランクがあり、まずは安定して働くことを優先したい
  • 手厚いサポートがないと働き続けるのが不安
  • 今後もオープン(障害を伝える)で働き続けるつもり
慎重に考えたい人
  • 将来的にクローズや一般雇用で働く可能性を残したい
  • 専門性を身につけて、年収を上げていきたい
  • 事務やITなど、職種を広げてキャリアアップしたい

職種の広げ方については、障害者雇用でキャリアアップしやすい職種は?も参考にしてください。

よくある質問

Q. 特例子会社から一般企業の障害者雇用枠に転職することはできる?

できます。障害者雇用枠(オープン)での転職なら、特例子会社の職歴が不利になることはあまりありません。注意が必要なのは、クローズの一般雇用を目指す場合です。

Q. 特例子会社かどうかは、どうやって調べる?

厚生労働省や各地の労働局が、特例子会社の一覧を公開しています。求人票の会社名で検索して確認するのが確実です。

まとめ:入社前に「数年後の自分」を考えておく

  • 特例子会社は、障害のある人が働きやすいよう配慮された子会社。全国に631社(2025年6月時点)
  • 配慮が手厚く定着しやすい一方、給与や仕事内容、キャリアの幅は限られやすい
  • 職歴に残るため、その後クローズで一般雇用に転職するのは難しくなる
  • 私は将来の選択肢を残すため、一般企業の障害者雇用枠を選んだ

特例子会社は、安心して働き始められる良い選択肢です。ただし、職歴に残ることで、その後の選択肢が狭くなる面もあります。入社を考えるときは、「今働けるか」だけでなく、3年後・5年後にどんな働き方をしていたいかを考えてみてください。オープンで長く働き続けたいなら、特例子会社は心強い場所です。将来クローズや一般雇用も考えているなら、最初から一般企業の障害者雇用枠を選ぶ方が、選択肢を残しやすくなります。

会社を選ぶときの基準は障害者雇用の転職で失敗しない会社の選び方に、一般企業の障害者雇用求人の探し方は障害者雇用に強い求人サイト3社を比較にまとめています。

出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「障害者雇用状況の集計結果」(2025年6月1日現在のデータ)

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