「障害者手帳を取るメリットって何?」「一度取ったら一生そのままなの?」
障害者雇用を検討する際、避けて通れないのが障害者手帳の存在です。
取得には勇気がいるものですが、正しくメリットとデメリットを知ることで、自分らしい働き方・生き方のヒントが見えてきます。今回は、手帳を持つことで変わる「働き方」「お金」「環境」の話を詳しく解説します。
1. 障害者手帳を持つ「4つの大きなメリット」
手帳は単なる証明書ではなく、生活を支える「権利の鍵」のような役割を果たします。
① 障害者雇用枠での就労が可能に
最大のメリットは、障害に配慮がある環境で働ける「障害者雇用枠」に応募できることです。業務内容の調整や通院時間の確保など、無理のない働き方を選びやすくなります。

障害者雇用は手帳がないと応募ができませんので、ご注意ください。私の場合、最初はクローズ就労を予定しており、手帳は取得しておりませんでしたが、障害の配慮をいただきながら就労したいと感じ、就職活動の途中で手帳の取得をしました。
②職場で「合理的配慮」を受けやすくなる
企業に対して「自分にはこういう特性があり、これが必要です」と伝える際、手帳があることで客観的な証明となり、スムーズに環境調整の相談が進みます。
合理的配慮とは障害によって働きづらい部分を会社が調整すること
例👇
- 通院配慮(勤務時間調整)
- 業務量の調整
- 電話対応免除
- 静かな席配置
- 在宅勤務
- マニュアル化
これは
👉 2024年(令和6年)4月1日の障害者差別解消法の法改正により、事業者による「合理的な配慮の提供」が義務化されました。
① 客観的証明になる
会社側はこう考えます。
本当に配慮が必要なのか?
手帳=
✅ 医師+自治体が認定した状態
になるため説明コストが激減します。
② 障害者雇用では制度化されている
障害者雇用では最初から
- 配慮前提
- 業務設計済み
- 上司理解あり
のケースが多い。
つまり
合理的配慮が制度化されている。
③ 企業側メリットがある
企業は
- 法定雇用率
- 納付金制度
があるため、
👉 配慮してでも雇用したい
という構造があります。
手帳なしでも可能?
| 状態 | 配慮の通りやすさ |
|---|---|
| 手帳あり | ◎ 非常に通りやすい |
| 診断書のみ | △ 会社次第 |
| 自己申告のみ | ✕ ほぼ困難 |
現場では、
無理して一般就労⇨体調悪化⇨退職⇨手帳取得
という流れになるケースも少なくないようです。
② 税金の負担が軽くなる(障害者控除)
障害者手帳を持つと、所得税・住民税の障害者控除を受けられます。
- 控除額:26万円〜75万円
- 年収によっては数万円〜十数万円の節税
手取り収入が増える実感を得やすい制度です。
No.1160 障害者控除 国税庁
③ 公共料金・交通機関などの割引
鉄道、バス、タクシー、航空運賃の割引のほか、スマートフォンの基本料金割引(障害者割引)なども利用可能です。映画館や美術館などのレジャー施設も割引対象になることが多いです。
対象となる等級や手帳の種類は、自治体やサービス提供元(携帯会社、NHKなど)によって異なりますが、代表的なものは以下の通りです。
1. 公共料金・通信料の割引
- 水道料金
- NHK受信料
- 携帯電話・スマートフォン料金
- 電気・ガス料金
2. 交通運賃の割引
- JR・私鉄・バス
- タクシー
- 有料道路(ETC)
3. その他(公共施設・レジャー)
- 美術館・博物館・動物園など
- 映画館
- テーマパーク
注意点と手続き
- 申請が必要: 自動的に割引にはならず、窓口で障害者手帳を提示し、申請手続きを行う必要があります。
- 自治体による違い: 特に水道料金の減免は自治体独自の制度であるため、お住まいの市役所・区役所の障害福祉担当窓口で確認してください。
まずは、お住まいの市区町村の「障害者手帳のしおり」やWEBサイトを確認し、当てはまる割引制度を申請することをおすすめします。
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2. 知っておきたい「デメリットと注意点」
メリットが多い一方で、心理的な負担や手続きの手間も存在します。
① 心理的な抵抗感(ラベリング)
「障害者」という枠組みに入ることに抵抗を感じる方は少なくありません。これは非常に大切な感覚です。無理に取得を急ぐ必要はなく、自分のタイミングで検討して良いものです。
② 定期的な更新手続きの手間
特に「精神障害者保健福祉手帳」の場合、2年ごとの更新が必要です。その都度、主治医に診断書を書いてもらい、役所に申請に行く手間と費用(診断書代)が発生します。
③ クローズ就労(一般枠)での注意点
手帳を持っていることを隠して一般枠で働く場合、年末調整で「障害者控除」を受けると、書類を通じて会社に知られる可能性があります。
3. よくある疑問:一度取ったら返せないの?
「一度手帳を取ったら、ずっとそのままでいなきゃいけないの?」という不安をよく耳にします。
結論から言うと、手帳は返還が可能です。
病状が回復して必要なくなった場合や、更新時に基準を満たさなくなった場合は、返納することになります。「一生付き合わなければならないラベル」ではなく、「今の自分を助けるためのツール」だと考えてみてください。
4. まとめ:手帳は「お守り」として持っておくのもアリ
障害者手帳は「特別扱いのため」ではなく、
合理的配慮を正式に受けるためのパスポート と考えると理解しやすいでしょう。
手帳は、持っているからといって必ず誰かに見せなければならないものではありません。「いざという時に自分を守るためのカード」としてカバンに入れておき、必要な時だけ使うという選択もできます。
まずは主治医に「自分の場合、手帳の申請は可能か?」を軽く相談してみることから始めてみませんか?
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