障害者雇用とは?
障害者雇用とは、障がいのある方がその特性に合った働き方を実現できるように、企業や自治体が障がいのある方を積極的に雇用する制度のことです。この制度は、「障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)」に基づき定められており、障がいのある方が安定して働き続けることを目的としています。
障害者雇用と一般雇用の違い
障害者雇用と一般雇用には応募可能な条件が異なります。
一般雇用の場合は、企業が定める条件を満たしていれば、誰でも応募可能になります。一方、障害者雇用は、誰でも応募できるわけではありません。障害者雇用枠で採用されると、障がいの特性にあった環境で働くことができます。
障害者雇用の条件
障害者雇用に応募するには、障害者手帳を持っていることが条件になります。
障害者手帳は、「身体障害者手帳」「療育手帳」「精神障害者保健福祉手帳」の3種類です。いずれかの手帳を持っていれば障害者雇用に応募できます。手帳を持っていても一般雇用に応募することは可能になります。
障害者雇用のメリット・デメリット
メリット
求人
障害者雇用の求人には、実務経験や特別なスキルを求めないものもあり、これから就労を始める方にとっては比較的スタートしやすい機会が提供されています。これまで働いた経験がなくても、安心して仕事を始めることができる可能性があります。
また、採用後のミスマッチを防ぐために、選考過程で業務体験を提供する企業もあります。このような場合、事前に業務内容を実際に体験し、自分の特性に合った仕事かどうかを確認した上で、選考を進めるかどうか判断できるため、安心して応募することができます。
合理的配慮
障害者雇用を積極的に行っている企業は、職場環境や従業員の意識面で、必要な配慮をしっかりと行っているところが多いです。そのため、周囲の理解も得やすく、働きやすい職場環境が整っています。
また、障がいのある方は、通院などで勤務時間の調整が必要になることが多いですが、障害者雇用枠で採用された場合、こうした事情にも配慮され、勤務時間の調整がしやすくなります。さらに、業務内容についても柔軟に調整してもらえることが多いため、自分のペースで無理なく働くことができます。
定着
障がいのある方は、一般雇用(障害非開示)で採用されるより障害を開示した障害者雇用枠で採用される方が、企業に長く定着しやすい傾向があります。以下がその定着率になります。
- 障害者雇用:70.4%
- 一般雇用(障害非開示):30.8%
出典:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センター「障害者の就業状況等に関する調査研究」
デメリット
求人
障害者雇用は、一般雇用に比べて求人数が少ないため、自分に合った仕事を見つけるまでに時間がかかることがあるかもしれません。
待遇
一般雇用と比べると、障がい者雇用では「非正規雇用」や「時短勤務」などの勤務形態が多いため、給与水準が低くなることがあります。業務内容や勤務時間に配慮がされる一方で、その分給与に影響が出ることがあります。
さらに、一般雇用と異なり、人事制度に違いがあり、昇給やジョブローテーションがない場合もあります。そのため、同じ業務を続けることになる企業もあります。また、契約社員やパート、アルバイトなど、最初は有期雇用契約でスタートすることが多いという傾向も見られます。
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